事業報告
2011201020092008
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 万一の時に、自分に何ができるのだろう…


昨今、来るぞ来るぞとなんだかカウントダウンかのように、しかも科学的に脅されている感があるようにも思えるのですが、大きな地震が起こると言われて久しいです。
もっとも、新潟や北海道ではすでに地震があったし、その大変な光景をテレビや知人の話などで見知っているわけです。阪神大震災以降、地震の怖さをどこかしら身近に体験していたりもしますし、もはや人ごとではなくなることも知識としては覚悟はしているのです。
しかし。
果たしていつか来るかもしれない危機に、ボクらは万全なのだろうか…、という危惧も同時にあり、そしてどうせならばそんなあてのない出来事の準備からは、先延ばしでいようとする気持ちもあったりするのです。
恐ろしい想像は時に脳裏をかすめ、その時に隣で苦しそうに倒れている人がいたら…!
地震に限らずそういう出来事が不意に訪れたとしたら。
何をするべきで何をするべきではないのか、そんなところで躊躇してしまいそうな自分を想像して恐ろしくもなるのです。すぐに去る妄想の結末は、まぁ自分の家族と自分自身が無事ならばいいか♪…というところで落着するのだが。



 小雨降る3月30日の日曜日、三好市総合体育館にて「救命救急講習会」を、会員開発委員会の事業の一環として委員長の木藤 誠治くん(←左写真)が執り仕切って行われました。
今回は、(社)美馬青年会議所(社)吉野川青年会議所の皆さんとの合同で行われ、一般の参加者も募集しての講習です。指導には日本赤十字社からお二人お越し下さり、主に緊急時の救命救急処置に関するお話をしていただきます。


雨がきつくなってきました。当初応募があった人数は130名でしたが、若干キャンセルがありました。


やはり「日本赤十字」という名前がインパクトがあります(と感じました)、始まるや皆真剣にお話を聞いています。
見渡せば、地元ケーブルテレビのアナウンサーさんも取材に来ておりました。
内容を聞いていてまずわかったのは、ボクら素人の行える限界を知っておくということでしょうか。
所詮素人。されど人間。
こういうレクチャーを受ける機会がもっと増えれば、きっと日常の不安感ももう少し緩和できるのだと思いました。




さてお話の次にはお待ちかね、実際に体験してみましょう!というコーナーへと移ります。
AED(自動体外式除細動機)を用いての一次救命処置レクチャーからです。
人形模型を使って、目の前に心停止した人が横たわっている!…という想定のもと、話は進みます。
赤十字社の小冊子を片手に、気道確保に関する顎部の動きなどを教えてくれます。やはり、体を動かして聞いているとすんなりと入ってくるような気がします。
次に各班ごとに分かれてそれぞれ、実際にシミュレーションすることになりました。

 1、倒れている人を発見!!
 2、「大丈夫ですか!!」と駆け寄り、「誰か〜!救急車とAEDをお願いします!」と周囲に叫ぶ。
 3、再度「大丈夫ですか!?」と何度も声をかけ、同時に呼吸を確認する。
 4、げっ!息をしていない!心停止!?…


 5、顎を持ち上げて、呼吸を確認し、手のひらの付け根あたりを胸の中央に沿わせて20回心マッサージ。
 6、そして人工呼吸。胸のふくらみで空気が入っているのを確認しつつ、一気に送り込む。プフ〜ッ!
 7、これを何回も何回も繰り返します。繰り返すのみです。あきらめてはダメなのです。

後ほどの質疑の際におっしゃっていたのですが、死亡を確認する事ができるのはお医者さんだけなのだそうです。
ボクらにその権限はなく、その決定を下す事は出来ないのだそうです。
つまり有事の際、「もうだめだ〜!もう諦めよう」などとは諦めない方が良いとの事なのです。
これは想像だにしませんでしたが、一次救命を引き受けたからには、決して諦めずに1時間でも2時間でもし続ける事が大事なのだそうです。その話を聞いただけでも緊張がよぎります。一同、それはそれは真剣に、講師の方を見守っておりました。



とそこへAEDを持った人が駆けつけました(という想定で)。

 8、「代わりに蘇生処置をお願いします!」とAEDを預かり、セッティング開始。その間、持ってきてくれた人に人工呼吸やら心マッサージを代わってもらいます。
 9、機械を取り出して電源をON。音声案内に従って右肩部あたりと左脇腹あたりに電極をセットし、充電が開始されます。「離れてください!電気が通ります!!」と叫んで周囲の人を離れさせ、スイッチオン!ビリリ!!!さらに音声案内に従って蘇生処置を始めます。早く救急車よ来てくれ!
 10、とそこへ都合良く救急隊が到着。後はまかせてくださいと言われ、託します。


 …とここまでを各班それぞれある人形模型と練習用AED(電気は流れない)を使って、それぞれの役割をRPGします。
一同照れもなく真剣に、それぞれの役割を演じます。
ところどころ間違えたりもしたり、それを訂正しあったり、でもそれがまた間違っていたりと、討論しつつに演じます。中には「以前私が習った時は、頭の下に枕のようにモノを沿わせると聞いたのに」とか「オレが使ったAEDの機械とはちょっと違う」とか、それぞれに意見も出てきたりしています。
講師の先生をつかまえて、それら疑問をぶつけます。
「救命処置の方法は変化しています。有事の際にあれこれと道具を準備できないのならば、今回のような方法が最良です。大切なのは、心停止の状態を回復させることなのです。」
今回来てくださった日本赤十字社の先生は、過去3人の救命処置に立ち会ったのだそうです。
そのある時には何人も倒れている人が目の前にいて、その中から誰を助け出すかという選択に迫られる場面もあったのだそうです。今回使用したAEDという機械は、一人にしか使えないもので、一回使ったら次の人に…というわけにはいかないのだそうなのです。機械の内部には電気ショックを行った際の心電図のデータが蓄積されているらしく、そういう融通のきかない面もあるようで、なかなかシビアなものなのだそうです。各地域には数個常備されているようなのですが、最悪何人にも必要になるような場面に出くわしたら…!…などと妄想し恐怖しつつも、願わくばそういう事のない事を願うしかなかったりします。
今必要なのは、有事の際の必要最低限の救命処置のレクチャーなのであって、ネガティブに妄想を膨らませる事ではないのだ。一同の質問にはそれぞれ想像できるリアリティがあって、その返答に真剣に聞き入ったりしました。
先生の落ち着きがなんだか貫禄を感じさせます。
冷静でいられる事が大切なのだろう。その時に。
ちなみに電極を肌に取り付ける際、胸毛とか生えている人には隙間が生じるため備え付けのカミソリで剃る必要があるのだとか。



 さて次に、三角形に切られた布を使って、各部の応急処置のレクチャーです。
まるで折り紙の講習のように、「こうなってああなって…」などとそれぞれに悪戦苦闘しております。先生、早い…。手の先にくくりつけて簡易な手袋になったり、靴になったり、よく見る腕を骨折した人が巻いているような肩からくくりつけたアレになったり、果ては頭部を保護するターバンのような見た目のものになったり。変幻自在に操られる布さばきに、一同楽しげに取り組んでいます。でも果たして覚えていられるかしら。
最後に!…と先生が教えてくれた最後の折り方は…。
小さな長方形になって、「ではこの箱に入れてください」と後片付けの折り方でオチました。曰く毎度のネタだったのですね。一同笑って終わりました。

これをもって講習会は終了です。
ガヤガヤとあれやこれやそれぞれ話しながら、皆それぞれに、今回の収穫をおさらいし合ったりしています。
もしもの際にもそうやって、助け合って乗りこえていきたいと願うかのようで、見渡せば頼もしい一団として見る事もできました。自分一人が良いなどとは誰も考えてはいないようです。
先生は最後に、「自分の安全をまずは確保することが一番大事なのです」とも付け加えていました。
いつかくるかもしれないその時に、どれだけ冷静に周囲を確認できるのかどうか。
決してヤケにならないように、日頃から覚悟しておく事も重要なのかもしれません。
いつか来るかもしれないその時に備え、少しの自信と安心感をもらいつつ。
ともかくみなさんおつかれさまでした。






 引き続き、今度は3ロム合同例会へ突入です。
各ロムメンバーそろっての例会です。今後の方針やそれぞれの意見を出し合ったりして、いつもと違うエネルギーを受け渡しできるものになりました。
孤立しがちな個人の意見であっても、こうして違った空気を得る事でまた、新たな情報を交換し合い育て合えるのかもしれません。みなそれぞれの根幹ではきっと同じく、住んでいる環境をよりよくしたいというテーマが流れており、そのためにどういう行動を起こそうかと研磨しているのです。ただ会議が上手くなるだけではなんの役にはたたないし、かといって行動だけが先行しても地域はまとまらない。知識だけではだめだし体験だけでも発展は生まれない。団体を維持するだけに終始すべきではなく、率先して協力し合うことの重要性もあるのだと。
ボクらが学ぶべき事はたくさんあるのだと、そういう例会になったような気がします。

とにかく、みなさん、おつかれさまでした。


↑つ〜か眠い………  

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